牛丼戦争 Vol4

吉野家、復活へ両面作戦」との記事を目にしました。安部社長へのインタビューによると、吉野家復活の短期策としてまずは売上高の回復。中長期策として利益の拡大という事でした。9月に投入した280円の牛鍋丼、11月より販売を開始した牛キムチクッパに関しては売上高が落ち込んだ窮状から早期に脱却する為の緊急対策にすぎず、低価格商品はこれで打ち止めだそうです。カロリーが低い牛鍋丼の投入後、女性や年配客が増えた、牛キムチクッパは更にローカロリーの為、更なる女性客の増加が期待出来る。また更にメニューの開発を進め、400円台の価値ある商品も考えている、との内容です。中長期策としてはデフレや市場の縮小に耐えながら利益を出す体質へ転換していくという戦略です。まずは新しい店舗のフォーマット作り、固定費以外のコストを下げられる店舗の開発を行い、損益分岐点を現在の半分にしたいと言っています。恐らく人頭効率アップが最大のポイントでしょう。1日の客数が500人以下の店舗を「低BEP(損益分岐点)店」、500人以上を「次世代型店」と区分けし開発を進めるそうです。「低BEP(損益分岐点)店」に関しては既に9月に既存の店舗を改装し実験を始めているとの事。先日ブログに書いた松屋型の客席から厨房が丸見えのL字型カウンターの店舗です。早速その実験店、大森西口店にお邪魔してみました。恐らく全てを出来る限り削ぎ落としたところから始めて、実験検証を行い、必要な部分を付け足していこうという考えではないかと感じました。 ①24時間営業を朝5時〜夜2時までに変更。②券売機の導入(しかも10000円、5000円札が使えない券売機です)。③食洗機が無く食器は手洗い。④メニューの絞り込み(豚丼無し、期間限定のサービス品も絞り込み)。⑤19時という夕食時に2名体制。等々、感想を言わせて頂くと、問題が有りすぎます。 何が一番問題かと言えばスタッフが見るからに疲れきっていました。時々出るため息、お礼を言うのも精一杯という感じです。下げた食器が丸見えの上、洗いが追いつかないのでしょうか、洗い場から水に浸かっている食器を取り出しながら使っていました。不衛生極りない状況です。当然商品を出すのも時間がかかり、明らかにオペレーションがうまくいっていません。こんな光景も目にしました。牛鮭定食を作る際にビニールパックされている鮭をお客様の目の前で袋を切り、皿に出していました。果たしてお客様は美味しいと感じるでしょうか。新聞記事には1日あたりの総労働時間が25%削減でき郊外でも実験店を実施すると。ん〜私は不安でいっぱいです。9月末の店舗数1173の内、この対象がどのくらい有るのかは分かりませんが、吉野家がこの方向性で良いのでしょうか。食事をし、その対価としてお金を払い、お釣りは両手を添えてお渡しし、「ご馳走さま!」「ありがとうございます。」といった商売の原点を大切にしてきた人間味溢れる吉野家が、松屋の様に機械的で味気無い店舗になってしまうのではないか、女性客は間違い無く離れてしまいますよ。現顧客ももしかしたら…、きっとゼンショーは思う壺と笑っていますよ。現場からのたたき上げの安部社長!もう一度良く考えて下さい。本当にこの方針がベストでしょうか?倒産そしてここまで復活出来たのはなぜですか?松屋の後を追いかけて良いのですか? 少し言い過ぎましたが、前々から言っている様に吉野家の牛丼が一番美味しく大好きです。牛鍋丼、牛キムチクッパも美味しく、あの価格で同じ原価率で提供出来る吉野家の開発力も素晴らしいと思います。吉野家ガンバレ!!