船橋屋


亀戸天神のすぐそば、文化二年(1805年)創業、くず餅が有名な「船橋屋」さん。船橋屋初代の勘助さんの出身地が下総国(千葉県北部)の船橋で、当時、下総国は良質な小麦の産地だったそうです。勘助さんは、亀戸天神が梅や藤の季節に、参拝客でにぎわうのを見て上京し、湯で練った小麦澱粉をせいろで蒸し黒蜜きな粉をかけて餅を作り上げ、それがまたたく間に参拝客の垂涎の的となり、いつしか「くず餅」と名づけられ・・・江戸の名物の一つに数えられる程の評判をとったそうです。また、明治初頭に出たかわら版「大江戸風流くらべ」において、江戸甘いもの屋番付に「亀戸くず餅・船橋屋」が横綱としてランクされ、船橋屋の名声を不動のものとしたとの事。創業当時の面影を今も残す本店には、芥川龍之介永井荷風吉川英治ら文化人の方々もしばしば足を運ばれ、くず餅の素朴な味を堪能されていたそうです。私も子供の頃、父が時々お土産として買ってきたくれた記憶が蘇えります。「おい!くず餅買って来たぞ!」 そのくず餅はいつも船橋屋さんの物でした。 プルンとしたくず餅に黒蜜ときな粉を掛けるのが楽しくて、またそれをグチャグチャに混ぜて食べる、素朴なくず餅の味は恐らく私の舌の記憶に一生残ることでしょう。それを私も引継いで、伝えていこうと思っています。 とても美味しいくず餅、ご馳走さまでした。

船橋屋 亀戸天神前本店

食べログ船橋屋 亀戸天神前本店