遠太


三ノ輪駅徒歩5分程、正庭通りにひっそりと佇む「遠太」。昭和の匂いプンプンの名店です。 ひっそりとと表現したのは営業をしていても暖簾は外に出ていなく、店内に掛かったままで、看板にも全く灯りが燈っていないからです。外に漏れている店内の明りと、小さな提灯に灯りが燈っていることが営業中の印と言えましょう。営業開始時間の17時、間もなくにお邪魔しました。 年季の入った引戸をガラガラッと開けると、どうやら本日、私が ひとり目の客のようです。と、思ったら女将さんも見当りません(笑) (あれ、まだやってないのかなぁ〜と思いつつ) 「すみませ〜ん。ごめんくださ〜い。」と声を掛けるとお店の奥の戸の閉まった部屋から「ハイ、ハイ。」と言いながらゆっくりと女将さんが出て来ました。「まだでしょうか?」と私。「どうぞ!どうぞ!」とニコニコしながら女将さんが言ってくれました。 (あっ〜良かった) ホッと一息つきカウンターに腰掛けました。 「何に致しましょうか?」「焼酎のハイボールをお願いします。」女将さんが作っている間、店内をゆっくりと眺めると 、いやぁ〜たまりませんねぇ〜 昭和の匂いがプンプンして来ます!!高い天井、L字型のカウンター、小上がり、窓枠、窓ガラス、全てが昭和のある時からピタリと時間が止まっている本物です。琥珀色の焼酎ハイボールがまた美味しいですねぇ。焼酎、炭酸、元祖の素(天羽の梅)の正統的、下町ハイボールです。お店によりますが 「遠太」のそれは氷入りです。 アテには煮込みを頂きましたが、これも旨み抜群でハイボールがグイグイ進みます。幸いにも、暫く女将さんと話をする事が出来ました。昭和33年に嫁いで来た事、お歳が私の母と同じである事、そもそも 先代が遠州(静岡県西部)のご出身で、暖簾別けでこの地で酒屋を始め、商売変えをした事 等々。女将さんのとっても優しく、柔らかい口調とお店の雰囲気と匂い が相まって本当に癒されます。これこそまさしく 酒場浴そのものです。とても心地よい時間を過ごす事が出来ました。「どうもご馳走さまでした。」「遠い所ありがとうございます。また宜しければいらして下さい。」と優しいお言葉。必ずまたお邪魔させて頂きます。 「遠太」名店中の名店です。

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