高木酒店


新橋駅徒歩5分程、老舗角打ちの「高木酒店」さん。日比谷口を出て品川方面へ、呑み屋ひしめく一帯を抜けたあたりにひっそりながら風格ある昭和酒屋「高木酒店」さんが現れます。店の前の道路では早くもご常連さん達がお酒を呑みながら楽しそうに語り合っています。私は始めてお邪魔することもあり、折角ですから店内で頂くことにしました。外観もさることながら店内の雰囲気はまるで昭和30年代、いやいやそれ以前の趣きで、何とも良い雰囲気です。大きな梁、天板、左右の棚板等々ふんだんに木材が使われており、年を経て良い色艶を解き放っています。入口すぐの所に冷蔵ケースがあり好きな飲み物を取り出してお会計、右手の簡易テーブルで頂きます。アテはちょっとした乾き物のみのようです。プンプンと匂って来る昭和の薫りの中、先客の3人組みさんの話がとても良いBGMになります。まるで良い温泉のお湯にゆっくり浸っているかのような心地良さ、かなり上質な酒場浴の始まりです。 これがひとり呑みの良さなんですよねぇ〜。近所の方がお酒を買いがてら立ち話をして帰ったり、お店のご主人がビールケースに諸々積んで、自転車で配達に走ったりしています。その光景といい、この頑丈な自転車といい、まるでモノクロの世界です。 このようなお店が新橋のすぐそばに存在するなんて奥が深すぎます。30分程の滞在でしたが、本当に良い酒場浴をさせて頂きました。ご馳走さまでした。