市民酒蔵 諸星

京急新子安駅すぐ、市民酒蔵の「諸星」さん。こちらは以前より是非伺いたいと思っていたお店、念願叶いお邪魔することが出来ました。それにしても昭和の匂いがプンプン漂う素晴らしい外観、立派な清い暖簾、スポットライトに浮かび上がる 「諸星」のロゴ、全てが相まってとても良い雰囲気を醸し出しています。調べたところこの建物は私と同じ年齢、東京オリンピックの開催年1964年に建てられたとのこと、今の3代目のご主人が当時の状態を極力維持しながら、スポットライトなどの工夫で更に魅力度を上げているのでしょう。昭和好きの私にとってこの建物はずっ〜と眺めていても全く飽きることない、芸術作品と言っても過言でない魅力に満ち溢れています。残念なことに老朽化が激しかったのでしょう、入口の引き戸はアルミサッシに付け替えられています。ドキドキしながら戸を引いて店内へ入りました。「いらっしゃいあし!」と低く渋い声で3代目が向かえてくれました。お店は奥に細長い作り、左手にはその奥に向かってスーッと一直線に延びる良い飴色の木のカウンター、右手にはテーブルが3〜4卓程、外観に負けず劣らずとっても良い味が出ています。古いながらもとても手入れが行き届いたこの雰囲気、この空気感だけでとても良い酒場だなぁと感じますね。カウンターの中程にお邪魔しました。このカウンターてっきり壁に向かって座るだけかと思っていましたが、向かい側 (壁側) にも椅子が用意されており向かい合せに座れる作りとなっています。混んで来るとワイワイガヤガヤ、それもまた良いですね。壁面も良い味が出ています。日本酒がズラッ〜と並び達筆で書かれた銘柄、アテの短冊が綺麗に奥まで並び、お客様に気持ち良くというご主人の拘りが感じられます。「酎ハイとシャコ、それに卯の花をお願いします。」「かしこまりあしたぁ」ご主人本当に渋くて良い声ですね。暫くはこのお店の雰囲気にどっぷりと浸かりながらの酒場浴を堪能します。それにしても気持ちが落ち着きますねぇ〜「金宮の梅割りと丸干しをお願いします。」ロックの金宮とは別に梅のシロップが入れられた瓶が出されます。この瓶の雰囲気もまた良い感じです。とても残念ですがらそろそろ帰らなければなりません。「お会計をお願いします。」すると私の所までご主人が来て「かいこまりあしたぁ〜、えっ〜 ○○円です。」お金を渡すと前掛けからお釣りを取り出します。このやり取りもまた堪りませんね。そういえば頂いたお皿を全然下げなかったのはこの勘定システムだからなんでしょうか。お店によって様々な独自の決まり事があるのも尋ねる先々での楽しみでもあります。本日は本当に良い時間を堪能させて頂きました。ご馳走さまでした。

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