多可能


静岡駅徒歩5分程、1923年(大正12年)創業の大衆酒場「多可能」(たかの)さん。静岡の夜はとても賑やか、呑ん兵衞にとっては楽しい街の一つです。元々は城下町、当時の町名である茶町、呉服町、紺屋町等が今でも残っており、風情のある街でもあります。「多可能」さんは前回の出張の際に気になつていたお店、本日は念願叶ってのお邪魔となりました。調べたところ創業は何と大正12年、88歳と言う静岡の中でも老舗中の老舗とのこと、現在の建物は大火、空襲で2度の焼失を経て50年程前に建てられたそうです。ビルの谷間に建てられた平屋の木造建築が何とも魅力的ですね。引戸を引いて店内へ入ると何とも言えない魅力を感じる空間、その雰囲気は老舗酒場そのものです。右手に10席程のカウンター、テーブルが数卓にその奥には結構な広さの座敷席が有り思った以上の広さ、運良くカウンターに座ることが出来ました。目の前の壁には黒い木札の品書きがズラーっと並び、手前には素晴らしい生け花とこちらのカウンターは特等席です。飲み物は静岡らしい″静岡割り″つまりお茶割りをお願いしました。すらっと細身の徳利に入れられた一合の焼酎にタップリのお茶と氷、2〜3杯は頂ける量で550円とは呑ん兵衞にとって何とも有難く涙ものですね。またこのお茶が濃いめで良い感じです。「アジフライに生しらすをお願いします。」やはりどうしても魚に目がいってしまいます。生しらすは甘みと旨みがタップリ、アジフライはサクサクで共に静岡割りの良いアテとなります。「写真を撮っても宜しいでしょうか?」老舗ということで遠慮していましたが思いきって尋ねてみました。「え〜どうぞ、最近写真をブログ等に載せて頂いて、其れをご覧になって来て頂けるお客さまも多いんですよ。とても有難いことですよ」老舗然とした気取りが全く無く自然体がとても良い感じです。ご常連さん達もとても明るく気さくな方々が多いようで、お店が全体が優しく明るい雰囲気で包まれている感じがします。「ご馳走さまでした。」「どうもありがとうございました。お気をつけて!」今日も良いお店に出会えました。ご馳走さまでした。

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