田中萬酒店











大阪、西中島南方駅徒歩5〜6分程、角打ちの「田中萬酒店」さん。大阪の角打ちを探していたところ、その昭和の匂い漂う雰囲気に私のアンテナが反応、ワクワクしながらお邪魔した次第です。駅からほとんど店舗の無い寂しい幹線道路を歩くこと5分程、「田中萬酒店」さんはその姿を忽然と現しました。その佇まいは完全に昭和そのもの、かなり良い感じです。年季の入った木製の引き戸をガラガラと引いて中へは入れば期待を裏切らない素晴らしさ、昭和の匂いがプンプンします。入口すぐ左側に缶類の冷蔵庫、「あれ、缶類しかないのかなぁ?」と仕方なく選んでいると「何本?」とお母さん「いや、1本で… あっ〜中で呑んで行きたいのですが」「あら、お兄さんここで呑みはるの!どうぞどうぞ」私はもちろん初顔、当然持ち帰りと勘違いした様、恐らく中で呑むのは決まった常連さんがほとんどなのでしょう。「あのう瓶は有りますか?」「あるよー、麒麟、アサヒ、サッポロどれにする」「じゃあ、サッポロで!」小銭を出そうとすると「後でええで」とのお言葉、角打ちで後払いとは珍しいですね。店内は完全に角打ち中心の構成、横に細長い店内いっぱいに鍵型のカウンターが走り12〜13人位は入れそうな広さ、その内側がお母さんの厨房と化しています。ご常連さんの先客がお二人、テレビを観ながら愉しまれています。暫くはビールを頂きながら店内を拝見、カウンターの上にはお母さんさんの手作りのアテの数々が大皿、小皿に盛られて置いてあります。何と大きなおでん鍋も有りますね。視線を感じたのでしょう「おでん食べはる?」そう勧められては頼まない訳にはいきません「ちくわと玉子、それとスジ下さい。」サッパリとしたうす味で家庭の味と言った感じが良いですね。「あのう、少し写真を撮っても良いでしょうか?」間髪いれず常連さんが「おたく記者さんか?」「いやいや、普通の会社員ですよ。角打ち巡りが趣味でして(笑)」「何や、じゃああれか、ほら、あの何て言うたか、ブ、ブ、」「それブログやろ(笑)」ともうお一人が、今度はお母さんが「いやぁー最近時々ネットで見たって来てくれはるんよ、有難い事やで、お願いやから綺麗に撮ってな、汚い所見たら来る気失せるやろ(笑)そやそや本にも載ったんやで、どこやったかなぁ〜」(いやいやこの薄汚れた昭和な雰囲気が良いんですよ、とは流石に返せませんでした。)「そのウインナーの炒め物下さい。」赤いウインナーが昭和な感じ、こちらも素朴でビールのアテにピッタリ、青菜タップリが野菜不足の呑ん兵衛には有難いですね。ご常連さんの「ワシのシロ残っとるかな」と言うお言葉、マッコリのボトルをキープされているよう、お母さんが冷蔵庫を探しながら「有ったかなぁ〜?あっ〜有った有った!何やほとんど残っとらんわ!こりゃ鼻くそやで!」「何やその言い方、お兄さん、きちんと書いといてな!鼻くそと!(笑)」この雰囲気がたまらなく良いですね!もっとゆっくり愉しみたかったのですが、残念ながら帰らなければなりなせん。「お会計お願いします。」「有難う!良かったらまた寄ってな!」ハイ、必ず寄らせて頂きます。ご馳走さまでした。

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