ピーター













浅草駅徒歩12〜13分程、昭和39年創業、昭和の喫茶店「ピーター」さん。休日の土曜日、何やら昨晩から喉や節々の痛みが…二日酔いでは無く完全に風邪を引いたよう、まずいことに家には目前に受験を控えた息子がおり風邪でも移したら責任重大「ちょっと風邪気味で熱っぽいんだよ。この時期に移したら大変だから、夕方まで外に出てくるよ。」と正々堂々と一人で出掛けられた次第(笑)外は寒風吹きすさぶ寒空、さすがにこの体調ではお酒は呑めないので車での外出となりました。さてさてどうしようかと思案の末、「普段はお酒ばかりで中々出来ない 古い喫茶店巡りでもしてみよう。」と大好きな街の一つの浅草へ、まずは体調回復も兼ねtて栄養補給と、カレーが人気の「ピーター」さんへお邪魔です。場所は浅草ビューホテルの裏手、国際通りから一歩入ったこの辺りは観光客の方々はほとんどお見かけしない静かな浅草、大好きな鰻屋さんの「鍋茶屋」さんや焼肉の「本とさや」さん等々美味しいお店がたくさん点在しています。そんなん静かな通りの角地に「ピーター」さんはひっそりと佇んでいます。時代を感じさせるモルタルの建物は完全に時代は昭和、よく見れば2階の窓枠は木製です。「コーヒー  ピーター」と書かれた色褪せた赤いハザードや全体のやれ感は、人によっては汚もいお店と感じますが、私にとってはとても魅力的に映ります。時刻は11時頃、扉を引いて中にお邪魔、テーブルが全部で6卓ととてもこじんまりとした店内は何とも言えない煩雑さが堪りません(笑)「いらっしゃいませ。」と優しい声で迎えてくれました。お店は小柄なお母さんお一人で営まれているようです。奥の壁にはこのお店を象徴する物の一つである油絵の壁画が壁一面に描かれています。その作者は1918年浅草生まれの加太こうじ氏(1998年没) 加太さんは紙芝居「黄金バット」の二代目作者であり、レコード大賞の審査員も務められた有名なお方、その加太さんが「ピーター」の常連客であったこともあり1985年に店内を改装した際にその真白い壁に油絵を描くことを思いつき、2ヶ月の歳月を掛けて完成させたそうです。その大きさたるや、縦2m 横4m半「浅草ビックパレード」と名付けられ「大河内伝次郎田谷力三、水の江滝子、チャプリン榎本健一等々」明治から昭和にかけて浅草の地で活躍された総勢30名程が描かれています。これはかなりの大作、素晴らしい壁画ですね。名物のカレーライスとコーヒーをお願いしました。見た目よく自宅で作るカレーのようですが、スパイシーで少し辛め、味に深みが感じられとても美味しいカレーです。「うちのは辛いから、ハイ!お水をどうぞ」と冷たいペットボトルをドーンとテーブルに置いてくれました。食後のコーヒーを頂きながら幸運にも少しお話をすることが出来ました。「こちらは昭和39年から始められたそうですね。」「ええ、私が始めたのは昭和41年なんだけどね、お店自体は39年に始まって、私はその時からお手伝いしていたんですよ。最初のオーナーは国際劇場で踊っていた方なんですけど、お店を辞めると言うもんだから、ちょうど会社を辞めて退職金があったんで、そのまま引き継いだんですよ。もう45年も経っちゃった。(笑)、此処のことはどこで知ったの?この前のテレビかしら?それとも雑誌かしら?」「いやいや、本やネット、あらゆる物に良く出ていますよ!とても有名ですから!」お元気でお話好きのお母さん、とてもお人柄が良く魅力的ですね。聞けばビールと酎ハイも置いてあるとのこと「とても美味しかったです!今度は夜お邪魔しに来ます。」「有難うございました。また是非いらして下さいね。」ご馳走さまでした。

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