中屋酒店











神田駅徒歩5〜6分程、角打ちの「中屋酒店」さん。東京にはまだお邪魔出来ていない角打ちがいったい何軒ぐらい有るのだろうかと思う今日この頃、角打ち好きのブロガーの方々の情報を参考にさせて頂いたり、酒屋と見れば「ここは呑めるのだろうか?」と中を覗いたり、時には聞いてみたりとしながらの角打ち巡りも呑み歩きの楽しみの一つ、大衆酒場に色々な酒場があるように、一口に角打ちと言っても一軒一軒、雰囲気やルールが異なり、昭和遺産とも言うべき角打ち文化を肌で感じることは昭和好きの呑ん兵衛にとってはとても楽しいものです。本日お邪魔した「中屋酒店」さんもそんな昭和角打ちの一軒、酒屋としての歴史は100年近くにもなると言う老舗酒屋さん、もちろん建物は当時の建物ではありませんが、昭和風情漂うヤレ感はかなり良い感じです。両脇を煙草の自販機で固められた勝手口のような扉がお店の入口、通常酒屋と言えば間口が広いものですが、恐らくもう小売りを積極的になさっていないのでしょう、角打ち中心の営業とお見受けしました。店内は昭和の匂いプンプンでとても良い感じ、左手には良い色をした古木の分厚い一枚板の3m程のカウンター、右手にも呑みテーブルと乾き物や缶詰のコーナーとやはり角打ち中心の酒屋さんのようです。時刻は19時頃、先客は古木のカウンターに2組、右手のテーブルに1組と結構な賑わい、折角なので古木のカウンターにお邪魔しました。お店はお見かけしたところ私の母ぐらいのご年齢のお母さんがお一人で営まれているよう「呑み物はどうします。」と聞かれ「えっ〜と、瓶ビールは有りますか?」「麒麟、アサヒ、サッポロと、どうしましょうか?」右奥に冷蔵庫が有る様、乾き物の棚で隠れていて分かりませんでした。「赤星は?」「ごめんなさい。赤星は無いのよ。」と申し訳なさそうなお母さん、「ではサッポロの黒で!それとこの魚肉ソーセージをお願いします。」魚肉ソーセージは軽く切れ目を入れてお皿代わりの紙と一緒に出してくれました。「ビールが350円とソーセージが130円で 480円ね。」角打ちと言えど大瓶350円は私の経験上 最安値!有難い限りです。またお皿代わりに紙を使うというのも、昭和の角打ちらしい風情が堪りません。こう言う話を聞いた事が有ります。「そもそも酒屋はお酒を売るお店、呑ませるお店でも無ければ、食べさせるお店でも無い。呑みは別にしてもお皿を出して食べさせるには飲食業としての許可が必要、故にお皿代わりに紙を出していた。」真贋の程は定かでは有りませんが、紙を出されたのは記憶を辿るとこれで3軒目でしょうか。「はい、520円のお釣りね。」と持ってきたのは6Pチーズの丸い空箱に入れられた小銭、これは中々のアイデアですね。と思っていたらご常連さんは残ったお金を6Pチーズの箱に入れてお母さん預けて帰っていますよ。ボトルキープならぬ小銭キープとはこれまた面白い光景です。これからが気持ちの良い酒場浴の始まりです。昭和の匂いプンプンの雰囲気の中でご常連さん達の会話がとても良いBGMとなり、温泉に浸っているかの様な気持ちの良い時間が流れます。棚を見ればすでに生産されていない限定品の数々、特にタイガースファンには延髄ものの商品が数多く飾られており、お母さんに尋ねましたが、やはり売り物ではないとのこと。あわよくばタイガースファンの先輩にと思いましたが残念でした。神田「中屋酒店」さん、本日も良い角打ちに巡り合う事が出来ました。ご馳走さまでした。