三岩













地下鉄浅草駅徒歩6〜7分、創業昭和2年、日本料理屋の「三岩」さん。「四方酒店」さんで大満足のスタートを切った浅草散歩、さて次は軽くアテでも摘みながら軽く一杯と思いあれやこれやと思案の末、以前一度伺った事のある「三岩」さんにお邪魔した次第、休日の昼食時間は主だったお店は何処も人でいっぱいの浅草ですが、ほぼ地元民やJRA好きのおじさん中心のすしや通りは比較的静かで落ち着きます。日本料理屋と言っても大衆料理屋の「三岩」さんは家族連れやグループはもちろん、ひとりでもリーズナブルに食事でも呑みでも出来るオールマイティな料理屋さん、こんな日には最適な一軒です。建物は比較的新しいとは言えその外観は創業から85年目を迎える老舗の風格、良い感じに年月を経た立派な暖簾を見るとちょっと高そうなお店との印象を受けますが、全く心配する事無く楽しむ事が出来るのでご安心下さい。引戸を引いて店内へ入ると一番奥に厨房を構え、入口すぐに8人掛けの大きなテーブルが2卓ドーンと横に並び、その奥にはテーブル1卓の小上がりのみと中箱のお店、2階、3階は宴会も出来る座敷のようです。案の定、昼食時にも拘らず先客は一人客が6名程のみ、皆さん大テーブルで思い思いに愉しまれています。「まずは瓶ビールをお願いします。」「アサヒに麒麟どちら?」アサヒが多勢を占める浅草でふた銘柄を揃えているとは有難い限り、赤星が有れば最高なんですがそれは贅沢というものですね(笑)フロアは昔はさぞ美人であったろうお母さんがお二人と勘定場にお一人の三名で切り盛り、昭和の匂いがプンプンまでは行かないまでも、良い感じに漂う昭和風情とのんびりとした空気感にとても癒されます。麒麟ラガーを頂きながらメニューと睨めっこ、大瓶550円、白鶴290円、酎ハイ350円、浅草らしく電気ブラン250円、アテは300円から600円が中心で天丼やにぎり寿司まで網羅、鍋も勿論一人前からOKです。やっこ豆腐と一本から頼める巻物、鉄火と穴子巻をお願いしました。「はい、お待ちどうさま!」と前に置かれたやっこ豆腐は一方の器に真っ白なお豆腐、そしてもう一つの器に醤油に長ネギ、花鰹、おろし生姜と別々に盛られた珍しい共し方、日本料理屋さんならではでしょうか、それとも豆腐に自信が有るのか 分かりませんが先ずは何も付けずに豆腐を一口、大好きな木綿豆腐は中々の美味しさ、やはり豆腐の濃い味を楽しむのなら木綿豆腐ですね。巻物も寿司桶に綺麗に並べられお店の拘りを感じます。穴子も鉄火も申し分無い美味しさ、暫くはまったりとした昭和風情の空気感の中、身を漂わせての酒場浴を堪能、この時間が独り呑みゆえの堪らない時間です。普段はほとんど頂かない日本酒をとも思いましたが、ここは浅草、やはり電気ブランを発祥のお店でと「三岩」さんを後にしました。ご馳走さまでした。