万定フルーツパーラー
















地下鉄南北線東大前駅徒歩6,7分程、東大正門前の昭和喫茶「万定フルーツパーラー」さん。歴史ある東大近辺は昭和喫茶の宝庫、「こころ」さんを堪能した後に伺ったのが、カレーとハヤシライスに天然ジュースが売り物の「万定フルーツパーラー」さん。そもそもフルーツパーラーとの響きが不思議と思えば、初代が果物店を営んでいたことも有り、当時流行ったフルーツパーラーを経営し始め、現在のお店に至ったとのこと、「ぶらり途中下車の旅」のホームページではおりも正夫さんが創業大正3年の老舗と紹介していますが、その創業年が果物店なのかフルーツパーラーなのかは定かではありません。当時としてはかなりハイカラであったろう石造りの堅牢な建物は昭和3年の建造とのこと、道に面した一面に壁を立てることなく、波状型の大きなガラスで受け、中の灯りや人影が感じられる作りは現在でも全く色褪せる事ない素晴らしさですね。店内も昭和の匂いがプンプン漂う良い感じ、営まれているのは2代目の奥様とのこと、厨房を囲む10席程のU字型のカウンター席にフロアにはテーブルが6,7卓程でしょうか、細かい市松模様の床、椅子、メニューの字体、壁等々全てが昭和のそのもの、特筆すべきは昭和9年製と言われている今でも現役のレジスター、お会計の度に奥様が「ガチャ、ガチャ」とボタンを押せば、木製の受け皿が開いてのやり取りには驚かされます。カウンターにお邪魔して名物のカレーをオーダー、黒くてサラッとしたルーは胡椒で辛さを出した昔ながらのカレー、お店の雰囲気にピッタリです。折角ですから食後に生ジュースを頂こうとオレンジジュースをお願いすれば「苺ジュースも有りますよ。季節ですからねぇ。」と優しいお言葉「確かにそうですね。では苺ジュースを!」グラスに小粒の苺を10粒程とお水に少量の砂糖を入れてミキサーに、混ぜ物の全く無いとても綺麗な苺ジュースの出来上がり「はい、どうぞ。」一口頂けばこれぞ苺ジュースと言った素朴な味に「やはり、美味しいですね。」と自然と言葉が出てしまいました。「レジスター写真を撮らせて頂いても宜しいでしょうか?」「ええ、どうぞ!」近くに寄ってマジマジ見れば驚くことに価格表示はYen(円) とSen(銭)、さすが昭和9年製です。この様な雰囲気の店内で生の苺ジュースを頂きながらのまったりとした時間はこの上ない素晴らしさ「ご馳走さまです。」「1100円です。(ガチャガチャ) どうもありがとうございました。」最後まで最高です!ご馳走さまでした。

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