伊勢末酒店














東武大師線大師前駅徒歩すぐ、昭和の匂いプンプンの角打ち「伊勢末酒店」さん。マイレビュアーさんとの呑みの席で「『東京角打ち 立ち呑み百景  』の表紙になっている角打ちに行きましたか? 堪らなく良いですよ!」と教えて頂き、早速お邪魔した次第です。365日年中無休で昼12時から営業と素晴らしい角打ち、口開けの12時少し前にお店に到着、その外観が目に入った途端に暫くの間ボッ〜と魅入ってしまうとても魅力に満ちた角打ちです。西新井大師を訪れてこのお店の前を通る参拝者の方々はこのお店が酒屋で有ることすら分からないでしょう。右手の角打ちスペースにお邪魔するとお母さんがお一人「良いですか?」「ええ〜どうぞ」と、私が口開けのお客のようです。こちらはお酒を売るスペースと角打ちスペースが別々の完全独立型の角打ち、角打ちと言うより完全な呑み屋さんと言った感じです。10名程が壁を背にして座れるようにビールケースに座布団が並べられた長椅子(笑)に素人の日曜大工然としたテーブルが何とも良い味を出しています。見れば何とガスコンロまで設置され、簡単な料理も共すようですね。それにしても良い雰囲気、壁には演歌歌手のお姉様方のポスターやサインの数々、天井には長嶋茂雄、天井からはお約束の蝿取り紙がブラ下がっています。規模さえ違いますが、子供の頃に良く行った、祖母の家の台所に居るような感覚に似ています。「瓶ビールを!」「ハイ、どうぞ!」と出されたビールは何と赤星!いやぁ〜これはたまりませんねぇ〜。「何か見ていらしたの?」「ええ〜、こういう雰囲気の角打ちが大好きで・・・」「そうそう、この本に出てねぇ〜・・」「それです!それ見て・・・」「ほら!あの、あのテレビ・・何て言ったっけ ?」「酒場放浪記ですか?」「そうよ〜、それにも前に出てさぁ、今度はまたその女性版が有って、取材が来るみたいなのよ」「本当ですか!凄いじゃないですか!放映されたら混んじゃいますよ。」「それがそうでも無いのよ、こんな所まで誰も来ないわよ(笑)」何だかとても良い感じです。テーブルの上に幾つかのお皿にお手製の料理、「このお浸し下さい。」とほうれん草を頂きました。日差しの柔らかい真っ昼間、昭和の匂いプンプンの角打ちで赤星に美味しいお浸し、こんな幸せな時間は早々御座いません。恐らくあと少しもすればご常連さんで溢れかえるのでしょう。お参りを忘れないうちにお勘定です。「お幾らですか。」「はい、700円ね。また良かったらいらしてね。」「はい、必ず!」ご馳走さまでした。

伊勢末酒店

東京角打ち―立ち呑み百景 (SAKURA・MOOK 9)

東京角打ち―立ち呑み百景 (SAKURA・MOOK 9)