食堂 うえき




JR両国駅徒歩10分程、昭和風情漂う食事処「うえき」さん。押上から両国へ歩いて向かう途中、何か良いお店がないものかと彼方此方に目を向けながらのブラブラひとり歩き、そんな時にふと目に止まったのが「うえき」さんでした。「御食事処」と白字で抜かれた藍色の暖簾、ヒラヒラと揺れる「味自慢 焼そば」との赤いノボリ、色褪せた薄いグリーンのハザードなど良い感じに昭和風情漂う佇まいに「おっ!」と思わず目を奪われた次第、既にお腹はパンパンですがその魅力的な佇まいに、ふと気が付けば引き込まれるように戸を引いていました(笑)「いらっしゃいませ。」と私の母ぐらいのお母さんがシャキッとした声で丁寧に迎えてくれました。店内は厨房を囲む10席程のカウンター席のみ、 メニューを拝見すれば「そばにうどん、カレーに丼もの、焼魚、天ぷら定食 等々」お母さんお一人で切盛り出来る範囲での何とも食事処然としたラインナップ、酒類はどうやら置いていないようです。コップは何故かヤクルトスワローズ、お母さんが健康の為に飲んでいるのでしょうか?「焼そば(330円) をお願いします。」「はい、かしこまりました。」お母さんはこんな一見の私に対してもキチンとした対応をとられるとても律儀なお方のようです。ちょうど視線の先に調理をしているお母さんのお姿、身長150cmも無いであろうお母さんは胸の高さ辺りで鍋を振られています。もちろん慣れっこになっているのでしょう、「カラン、カラン!」と小刻み良く音を立てて経過に鍋を振られていまいます。「はい、お待ち堂さまです。」と置かれた焼そばは具が豚肉とキャベツのとても懐かしさを感じるTHE・昭和焼そば、味も見た目同様とても素朴で良い感じです。少しお母さんと話をする事が出来ました。お母さんは昭和9年生まれで毎朝5時に起きて掃除、仕込みを始め7時に暖簾を出して食材の無くなる夕方まで休み無くお店を開けていること、最近ロケでお店を使わせて欲しいとの依頼が来るが、このお店はご常連さん有ってのお店、細々でも長くお客様に愛されていたいので全て断っていること、昔は場所柄関取衆の出入りもあり、著名な関取が子供の頃から出入りをしていたこと、等々とても興味深い話を聞かせて頂きました。「今度は朝ごはんがてらご自慢のカレーライスを頂きに来ますよ!」「有難うございます。お待ちしております。」最後までとても丁寧なお母さん、いつまでもお元気に末長くお願いします。ご馳走さまでした。

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