かめさん食堂




東武東上線朝霞駅徒歩7,8分、創業昭和29年の老舗大衆食堂「かめさん食堂」さん。昭和の食堂を探していた際に辿り着いた「かめさん食堂」さん、是非伺いたいと思いつつも、朝霞といった場所も有ってか中々タイミングが合わなく早一年余り、ようやく念願叶ってお邪魔することが出来ました。朝霞駅から車の行き来が多い通りを歩くこと6分程、周りに自然と溶け込むように静かに佇むその姿は昭和風情漂いとても良い感じ、広めの引戸4枚の堂々とした間口の店構え、その上に構える「かめさん食堂」との立派な横看板、藍色の地に白地で「食堂」と抜かれた如何にも大衆食堂然とした雰囲気の暖簾、全体的にとてもシンプルですが長い年月を経て何とも良い味わいを醸し出しています。食品サンプルのショーウインドウは記念写真やお孫さんが描いたであろうポスターで埋め尽くされているのは微笑ましくて癒されます。以前は木製であったろう引戸がアルミ製に替えられているのは仕方の無いことですが少々残念、カラカラと戸を引いて中へお邪魔しました。店内は昭和好き呑ん兵衛の期待を裏切らない素晴らしさ、正面奥に厨房を構えフロアはテーブル10卓程の中箱店、昭和の大衆食堂にはお約束の色褪せて錆付いた赤いテーブルと緑のビニール椅子、床壁天井の良い感じのヤレ具合、おかずを並べるガラスのショーケース、思わず立ったまま深呼吸をしてしいました(笑)先客は無く私の母ぐらいのお母さんがお一人、厨房にはご主人がいらっしゃるようです。「取り敢えず瓶ビール(大瓶600円?)をお願いします。」ビールは嬉しいことに麒麟ラガー、突出し(100円?)はサッパリとしたお新香を出してくれました。「写真を撮らせて頂いて良いですか?」と尋ねれば「ネットか何か見て来たの?」とお母さん、「ええ〜、こう言う昭和な感じが大好きで・・・」お母さんとの会話が弾みます。と言ってもお母さんの独り舞台ですが(笑)「私もねツイッターとか色々とやっているのよ。」と言いながらiPadを取出して色々と聞かせて頂けました。お生れは昭和7年坂東流のお師匠さんをしていた事、浅草公会堂で踊った事、親しかった本田美奈子さんの事、等々、iPadを駆使して写真や動画を見せて頂きながらの愉しい時間、事前情報でこのお母さんがiPadを使える事は知ってはいましたが、とても器用に使いこなすのを目のあたりにして本当に驚きました。「お母さん、おかずを2品頂きますね。」「かめさん定食」はおかず1品で500円、2品600円、3品で700円と品数で値段の変わる定食、ガラスケースの寂しい品揃えは客数を考えれば致し方の無いところ、「茄子の炒め物と肉じゃが」を頂きました。「ご飯は今でも釜戸で薪で炊いているからね!その梅干しは3年物だよ。」ご飯は炊き立てでは無いものの、さすがに甘みと旨味十分、風味豊かでとても美味しいご飯です。これならおかず要らずで、お新香と美味しい梅干し、味噌汁が有れば十分頂けます。「いやぁ〜、美味しかったですよ!ご馳走さまでした。」「はい、どうもありがとうございました。」様々な歴史が詰まった「かめさん食堂」さん、是非とも末長く頑張って頂きたいものです。ご馳走さまでした。

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