つま亀




地下鉄浅草駅徒歩6,7分、昭和の匂いプンプン、ある時から時間が止まったままの昭和酒場「つま亀」さん。とても気の合う呑み仲間と二人呑みでの浅草詣で、特に何処へと決めぬまま当日を迎えました。何れにしても二人とも昭和な雰囲気とマッタリ呑みでは馬が合うゆえ、お互いに行きたいお店は何処であろうが問題御座いません。「ちょっと行ってみたいお店が有るんですが・・」と私。「あっ、良いですよ、行ってみましょう!」と優しく二つ返事のマイレビュアーさん。お上りさん宜しく雷門で待ち合わせ、目指したのが前々からとても気になっていた「つま亀」さんです。「旨すぎてごめんなさい」で有名な洋食店「ヨシカミ」さんのすぐ近く「あっ〜、ここですよ!ここ!」「はっ?ここ?えっ〜 、ちょっとこれ凄過ぎでしょう(笑)」暖簾と提灯が出ていなければ殆どの方が廃屋かと ( 失礼!) 思うであろうその建物は、懐かしいモルタル造りでかなりの年代物、よく良く拝見すればお隣のビルにのもたれ掛かるように寄り添っている姿はピサの斜塔ならぬ六区の斜塔です(笑) まずはパシャパシャと写真撮影、「ん〜、とにかく凄過ぎますねぇ〜」と意見が一致、さすがにアルミに替えられている戸をガラガラと引いて店内へお邪魔、( ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ〜) と二人とも店内の凄さに呆気に取られて一瞬立ち竦み、店主の「いらっしゃい!」のお言葉でカウンター席に着く事が出来ました(笑)向かって左側に8席程のカウンター席、右手の小上がりにはテーブルが有りますが、単なる荷物置き場と化しています。見た瞬間はお客さん?と思ったポロシャツにデニムを着たご高齢の方がご主人のよう、とても寡黙な雰囲気に二人ともちょっとビビリ気味、ともあれ瓶ビール ( 大瓶650円) をお願いして乾杯です!麒麟ラガーがお店の雰囲気にベストマッチ、この苦味が堪りません。アテにはもつ焼き( 2本200円)と玉子焼き( 350円) をお願いしました。「ご主人!写真を撮らせてもらって良いですか?」「ええ、どうぞ!」ととても優しい受け応え、正直この一言でかなりホッとしました(笑)幸運にも先客の方が「お勘定!」とお帰りに、店内には私達のみ、そうともなればいざ撮影会の始まりです(笑)ご主人が黙々と料理に勤しむ中、パシャパシャパシャと シャッターの嵐と「すげぇ〜」との感嘆の声、ここまで来ると病気に近いものが有りますね。「しかしこの熊手は立派ですねぇ〜、下世話な話ですがお幾らぐらいするものですか?」と聞けば嫌な顔一つせずに「30万かな。」と答えてくれるご主人、「さ、さんじゅうまん!!」( 私の頭の中では1軒3千円で100回分!等との計算式が・・) 「はい、お待ちどうさま。」と先に運ばれて来たのはもつ焼きです。もつ焼きは所謂レバー焼き、とてもボリューミーで丁寧に焼かれた感を感じる素晴らしさ、味も申し分有りません。続けて取り掛かるのは玉子焼き、全てご主人お一人で丁寧につくるので時間が掛かりますが、この雰囲気に浸っている身には何ら問題御座いません。綺麗な玉子焼きの脇には大根おろし、こう言う気遣いも有難い限り、酎ハイ(400円) にチェンジして玉子焼きを堪能、甘さ控えめの玉子焼きと濃いめの酎ハイが相性良好です。お聞きしたところ戦後間も無くの創業、休みも殆ど取らずに昼から営業との事、また一つ有難いお店が増えました。やはり浅草は奥の深い魅力的な街ですね。ご馳走さまでした。
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