こばやし




東急目黒線不動前駅徒歩5分程、創業1965年(昭和40年) 昭和風情たっぷりのラーメン屋さん「こばやし」。こちらは会社から比較的近い事もあり前々から伺いたいと思っていたお店の一つ、念願叶ってようやくお邪魔する事が出来ました。「不動前」というバス停の名前かとも思える駅名の由来は「目黒不動尊」として知られる瀧泉寺の近くに出来たからだそう、賑やかな目黒や五反田の近くでは有りますが、駅前からものの数分も歩けばとても閑静な住宅街、所々ではありますが昭和風情漂う昔ながらの建物も散見され、私にとっては魅力的な街の一つです。駅から歩くこと5分程、静かな住宅街の通りに明かりの灯るお店がポツンと一軒、「中華 こばやし」と白色で抜かれた真っ赤な地の暖簾が如何にも昭和のラーメン屋さんと言う雰囲気を醸し出しています。磨りガラスの木製の引き戸、オレンジのハザードの上にポツンと小さな看板、左手には緑の公衆電話に出前用のスーパーカブ、ここだけ切り取れば完全に昭和へとタイムスリップです。引戸は開け放たれたまま、開いている真ん中から顔を入れて「一人ですが、良いですか?」「いらっしゃいませ!どうぞお好きな席で!」とお母さんが優しく迎えてくれました。店内も昭和の匂いがプンプンする素晴らしさ、右手に厨房を構え、その前のカウンターに3席、左手壁際にテーブル2卓のとてもこじんまりとした店内、使い込まれた木製のテーブルや椅子、木枠の窓に懐かしいスクリュー式の鍵、外も中も完全に昭和です。しかも掃除が行き届いておりとても清潔感溢れ気持ちの良い店内、取り敢えず瓶ビール(600円) をお願いしました。スーパードライはちょっと残念、突出しの胡瓜の漬物がサッパリとして良い感じです。メニューを拝見すればごくごく一般的なラーメン屋さんのラインナップですが、嬉しいことにポテトサラダ(250円)を発見、お母さんにお願いすれば、トントントンと何かを刻む音、「はい、お待ちどうさまです!」と運ばれて来たそれは、そんじょそこらの酒場顔負けの素晴らしいポテサラ、盛りもたっぷりのなら味も抜群、刻んでいたのは付け合わせの千切りのキャベツと胡瓜、キャベツだけで無く胡瓜も絡めるとはとても丁寧な仕事ぶりに驚かされます。店内を拝見すればメニューの横にはご主人が書いたであろうと思いの一筆 「継続は力なり、この道45年の私が腕を振ってお客様に旨いソバ 旨い飯を味わってもらい、帰り際に旨かったヨ!と云われる、この幸福をいつまでも大切に頑張っていますが。H22.5月」「ラーメン屋を楽しく営み旨い酒を飲める事に感謝し70代をひょうひょう風に吹かれるように生きて行きます。80代も中華こばやしの存続を目指して!H23.8 吉日」思わず読みふけってしまいました。仕事に対する拘りと誇り、お客様に対する感謝の気持ち、素晴らしいですね。いつの間にか厨房にはご主人、この目の前にいらっしゃるご夫婦お2人でこのお店を50年近くも営まれて来たと思うと何だかじ〜んとしてしまいます。ソースヤキソバ(500円)を追加、具はもやしとキャベツのさっぱり系ヤキソバ、スープが付くのも嬉しい限り、そして驚く事に全ての食器に「こばやし」の印字、これも昭和のお店ならではです。昭和な素晴らしい雰囲気の中でのマッタリとした美味しい食事は最高の一言!「ご馳走さまです!とても美味しかったです!」「ありがとうございました。また宜しければいらして下さい。」最後までとても気持ちの良いお店です。ご馳走さまでした。
こばやし」食べログ