豊田屋




JR総武線平井駅徒歩4,5分、鍋物でその名を轟かせる昭和風情タップリの大衆酒場「豊田屋」さん。東京に木枯らしが吹き肌寒くなる鍋の季節、何処からともなく聞こえてくるのが「豊田屋」さんというお店の名前、鮟鱇に白子、鱈ちりに牡蠣鍋等々、東京の懐寂しい呑ん兵衛は少なくとも一度は「豊田屋」さんの名前を耳にした事があるはずです。鍋と言えば数人で囲って頂くのが一番愉しく美味しいと思い続けていた私、「豊田屋」さんに予約を入れる度に「あっ〜いっぱいなんですよ〜 また宜しくお願いします!」とふられ続けまくりの不幸な鍋人生(笑)ならば一人でお邪魔するかと思い立ったが吉日、その日の晩に平井駅に降り立った次第です。とぼとぼ歩くこと4,5分程、交差点の向こうに大きく「浅草無双・白子鍋、あんこう鍋・大衆酒場 豊田屋」と「これでもか!」と言うぐらいに大きく書かれた看板、有難いことにこれでは迷いようが御座いません(笑)昭和風情漂う如何にも大衆酒場といった雰囲気が良い感じ、すりガラスで中は見えずとも戸の前に立っただけで店内の良い雰囲気が伝わって来ます。木製の引戸をガラガラと引いて店内へ、右手に奥へと延びる厨房を構え、その前にカウンター12,3席、左手壁際に沿ってテーブル4卓程と一番奥にテーブル1卓の座敷席とこじんまりして昭和風情たっぷり、ワイワイガヤガヤと皆さんお酒を愉しまれており、やはりとても良い感じです。軽く人差し指を上げて (1人ですが・・) と合図を送れば「どうぞ、こちらへ!」とカウンター席に案内してくれました。先ずはメニューと睨めっこ、大瓶ビール440円、ワイン290円、生酒350円等々とても有難いお値段、下町ハイボールを期待して焼酎ハイボール250円をお願いしました。アテもメザシ190円、玉子焼200円から煮込みに刺身と格安大衆酒場といった豊富なラインナップに好印象、「お待ちどうさま!」と出された焼酎ハイボールは炭酸別出し、氷無しのまさに下町ハイボール、炭酸は興水社のアズマ炭酸、強めの炭酸が嬉しい限りです。「鍋は一人前でも良いのでしょうか?」と尋ねれば嫌な顔一つせずに「ええっ〜 もちろんです!」と有難い返答、少々悩みましたが「カキ鍋 (1350円)」をオーダー、同時に目の前にガスコンロが着弾 「ハイ、お待ちぃ〜」と乗せられた鍋を見れば、「これが一人前ですか?」との盛りの良さ、決して大粒では有りませんが、牡蠣がテンコ盛り状態です(笑)白菜、春菊、えのきに豆腐もしっかり盛られて二人前と言っても過言ではありません。お新香でも頂こうと思っていましたが、頭の中は牡蠣、牡蠣、牡蠣一色で、そんなことはどうでも良い状態、全ては鍋に集中です(笑)箸を付けたら「あっ、まだ少し早いなぁ・・」とご主人からダメ出し「もうちょっと待ってね!」「あまりに美味しそうだったから(笑)」こんなやり取りも愉しいものです。「ではそろそろ頂きますか。」と実食開始、貧乏性の私は先ずは野菜をある程度やっつけてから、牡蠣を別皿に盛り付けて一粒一粒堪能した次第、牡蠣のエキスが滲み出たスープと一緒に口に放り込めば至福の時間、もっと早く伺えば良かったと反省しきりです。テーブル4名のグループに運ばれたテンコ盛り盛りの鮟鱇と白子のコラボレーション鍋には思わず目が点、やはり数名で伺うと更に愉しめますね。いつの日か予約をして堪能したいと思います。ご馳走さまでした。

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