伊賀

JR中央線中野駅徒歩7,8分、お父さんお一人で頑張る昭和食堂「伊賀」。呑み続きのとある週半ば、柄にもなく疲れた体を癒そうと前々から伺いたいと思っていた食堂のひとつ、中野の「伊賀」さんにお邪魔です。南口から下ること数分もすればシャッターが降りたままのお店も散見され、新宿という大都市のすぐ隣の街と言えど個人商店の厳しさがヒシヒシと伝わって来ます。うら寂しい街道をテクテク歩いて行くとその先に見える赤いファサード。。「おっ、あれかな?」と近づいて行けば長屋のようなヤレたモルタル造りの建物の1階に連なる4軒のお店、がどう見ても2軒は既に廃業状態と寂しい限り、目的の伊賀さんは新しくしたのでしょう、「食堂 伊賀」との綺麗な赤いファサードに「お食事処」と白で抜かれた藍色の暖簾の佇まいが良い感じ、カラカラとアルミの引戸を引いてお邪魔すればお父さんが「いらっしゃい。」と優しい声で迎えてくれました。店内は厨房前に数席のカウンター席とテーブル数卓のこじんまりとしてドラマに出て来そうな典型的な昭和食堂、この雰囲気だけでなんだかホッとします(^^) 何はともあれ瓶ビールと冷奴をお願いして、お疲れさまと心で呟きながら(笑)ひとりかんぱーい!大好きな木綿豆腐を摘みながら短冊メニューと睨めっこ、そしてお願いしたのは最近家族かと思う位に付き合いの深い(笑)「ハムカツ定食」(^_^;) オーダーと同時にお父さんが油に火を入れ、パン粉を用意し、じゅわぁぁぁと目の前で揚げてくれる、そんな光景もビールの良いアテ、堪りません。「お待ちどうさま!」とカウンター越しに渡してくれたハムカツ定食は、ハムカツ4枚にキャベツ&スパのメイン、小鉢の納豆、もやしと黄色い沢庵、そしてご飯に味噌汁と申し分ない佇まい!この2,3口の僅かな量の小鉢が何倍もの喜びとなって返ってくるのは私だけではないでしょう。ハムカツはさすがの年季か、サックサクで良い感じに揚がってビールがぐんぐん進むくん、それでもこの日はガマンガマン。。テレビから「明日は1ヶ月分に相当する雨量となる可能性があります。。」と聞こえて来ると「えぇぇ、なんだって!」とお父さんが厨房から飛び出して来てテレビの前にかぶりつき「参っちゃうなぁ。。これで野菜の値がグーンと上がっちゃったら。。うちはこんな店だからそれだけでキュウキュウになっちゃうんだよね。。」個人商店の厳しさを目の前で体感するとは何とも切なくちと寂しい。。創業40年近くの「伊賀」さん、末長く頑張って頂きたいと思います。ご馳走さまでした。 

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