進開屋


地下鉄都営三田線千石駅、徒歩10分程、蕎麦屋の「進開屋」さん。いつも読ませて頂いているティコティコさんのブログ「東京下町居酒屋放浪記」でその存在を知りお邪魔しました。昭和好きの私が一番興味深かったのは「登録有形文化財」となっているお店の建物その物です。登録有形文化財とは国レベルで指定される重要分化財指定制度を補うものとして創設された文化財登録制度で登録された物件のことを指し、2010年4月現在建造物の登録件数は全国で7852件、東京都においては249件登録されています。「進開屋」さんの建物は昭和初期建造、現在もその建物で現役バリバリにご商売をなさっているとのことでとても楽しみな訪問となりました。開店が11時とのことで30分程前からご近所を散策すると、まわりは古い建物がチラホラと見られる閑静な住宅街です。そんな中に「進開屋」さんは忽然と姿を現しました。はっ〜!期待通りのかなり魅力的な建物ですねぇ〜。まだ開店時間前ですが、既に暖簾が掛かっています、引戸を引き「宜しいでしょうか。」女将さんが「どうぞ、どうぞ」と快く答えて下さいました。いや〜外観の素晴らしさもさることながら店内のすごさに、暫く息を止めて見入ってしまいました!女将さんがお茶を運んでくれましたが「あっ、あの〜ビールを持参してきたのですが…」実はもうひとつ楽しみがあったんです。「進開屋」さんはお酒類は一切扱って無く、好きな物を無料で持ち込めるシステム、呑ん兵衛にはとても有難いシステムです。「出来れば少しお新香を頂けますか?」「白菜ぐらいしかありませんが…」「十分です、お願いします。」お新香をアテにビールを頂きながら何とも言えない良い時間が流れていきます。耳には女将さんを中心に息子さんでしょうか、お昼の配達注文等の確認や開店準備のやり取りが聞こえてきます。この状態、まるで温泉にゆっくりと浸かっているような気持ち良さです。そろそろお蕎麦を「花巻き蕎麦をお願いします。」お蕎麦もとても美味しく、良い感じです!お昼の配達注文の電話がひっきり無しに掛かって来て、人気の高さが窺えます。私が近所に住んでいたら、お店に出向いて頂きますが…。「ご馳走さまでした!」「ハイ、630円です。」お新香が150円とは良心的と言うより申し訳無い気持ちになってしまいます。昭和の匂いプンプンんの「進開屋」さん、雰囲気、味、接客、3拍子揃った名店です。ご馳走さまでした。ティコティコさま、素晴らしいお店をご紹介頂き有難うございます。

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