藤田酒店




JR 神田駅徒歩3,4分、昭和風情漂う角打ち「藤田酒店」さん。角打ち巡りは愉しみのひとつ、中でも昭和の匂いがプンプン薫る角打ちとあってはお邪魔し無い訳にはいきません(笑)「藤田酒店」さんは神田駅から歩いて僅か3,4分、千代田区という東京のど真ん中にこの様な角打ちが残っているとは昭和好きの私には有難い限りです。神田は東京のひとつ隣の駅ですが、場所によっては戦争をくぐり抜けた建物もポツンポツンと見掛けられる貴重な街、はやる気持ちを抑えながら住所を頼りにテクテク歩いていると先の方に「藤田酒店」との看板と店先に積まれたビールケースが目に留まりました。モルタルの外壁、サントリーオールドの可愛らしい看板、そして入口には珍しい横看板、その看板には創業1717年神戸灘の造り酒屋さんの名酒「清酒  櫻正宗」と書かれています。店内に入れば平成から昭和へと一気にタイムスリップ、何とも表現し難い良い飴色に変化した梁や柱、ズラッと棚一面に並べられたお酒の数々、高い天井等々、昭和の匂いがプンプンのとても落ち着く空間、思わず深呼吸をしてしまいました(笑)細長い店舗は奥が居住スペースとなっているよう、お見掛けしたところこの手の角打ちにしては珍しくお若いご夫婦が切り盛りされています。アテは乾き物と缶詰が中心ですが20円、30円の駄菓子がバリエーション豊富に揃えられています。これは昭和生まれにとっては懐かしく嬉しい品揃え、若いご夫婦ならではのアイデアでしょう。冷蔵庫から麒麟ラガーの大瓶を取り出してベビースターラーメンを頂きました。〆て430円と言う事は大瓶が400円、角打ちならではの嬉しい価格です。強いて言えば赤星やハートランドが置いて有れば言うこと無いのですがそれは贅沢過ぎると重々承知しております。先客は4組程、皆さんビールケースを積んだテーブルで思い思いに愉しまれています。しばらくの間はこの素晴らしい空間の中で皆さんの会話が良いBGMとなって気持ちの良い酒場浴にドップリと浸ります。この時間が何とも堪らないひと時、ひとり呑みの醍醐味です。少しご主人とお話をさせて頂きました。角打ちを始めて実はまだ1年も経たないことや千代田区の条例が厳しく思う様に食べ物が出せ無いこと、客層を考えて駄菓子を揃えたこと等々色々と想いを聞かせて頂きました。角打ちを廻って随分と勉強をされているよう、並々ならぬ意気込みを感じた次第です。店内の写真撮影を快く承諾頂き、パシャパシャ撮っているとお店の奥にかなりの年代物のレジスターや木製の机を発見、目が釘付けになりました。先日本郷の「万定フルーツパーラー」さんで拝見したレジスターの小降りバージョンです。大女将さんがこれは昔のNCR製でね・・・と丁寧に説明してくれました。動くので有れば個人的には是非とも復活、或いは動かずとも人目につくところに飾って欲しいですね。お店の売りにもなると思います。この様な角打ちでは見知らぬ方々と知り合う事も愉しみのひとつ、この時も呑み屋談義に花が咲きとても充実した時間を過ごさせて頂き有難うございました。「藤田酒店」さん、素晴らしい角打ちに出会うことが出来ました。ご馳走さまでした。

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