バッハ








南千住駅徒歩10分程、珈琲専門店の「バッハ」。先日、南千住の名店「丸千葉」さんでお話をさせて頂いた方から山谷に日本でも有数の珈琲の名店があると言うお話を聞き、本日お邪魔した次第です。南千住駅から泪橋の交差点を曲がれば、その一帯はまさにドヤ街山谷のど真ん中、暴動が起こった昔に比べればかなり治安も良くなり、宿泊代の安さと浅草など観光名所の近さから海外のバックパッカーにも最近人気の地区となって来ましたが、街中を歩けばその独特の雰囲気たるや、慣れない方には怖い街との印象間違い有りません。現に私が「バッハ」さんを訪ねた当日にも何人もの警察官が行き交い、パトカーのサイレンを度々耳にした程ですから。今でも職にあぶれた日雇い労働者の方々が真昼間から路上で酒盛りをしていたり、路上で寝ていたり、時には喧嘩沙汰等々が絶えない街のようです。そんな山谷のど真ん中に日本でも有数の名店が有るとは本当に驚きです。当日は小雨降る寒い一日、店内に入ろうと店先で傘を閉じようとしたところ中からスタッフのお一人が出て来て「いらっしゃいませ。傘は席までお持ちしますので、どうぞ中へお入り下さい。」と、まるでホテルのような対応にいきなりびっくり、「お煙草は吸われますか?」「いいえ吸いません。」「ではことらへどうぞ。」と嬉しいことに珈琲を入れている目の前のカウンター席に案内してくれました。その際も椅子を引いてくれる素晴らしい対応です。丁寧に一通りメニューを説明しれくれた後、店名が付けられているバッハブレンドをお願いしました。カウンター前の壁際には何十種類ものコーヒー豆が瓶に入れられズラッと取り揃えられておりとても良い雰囲気です。調べてみると、そもそもこちらは自家焙煎珈琲の草分け的存在のお店とのこと、健康食品としての珈琲を目指し、何杯でも飲める珈琲を追求した結果、今に至ったそうです。ご主人はご自分の足で40ヶ国以上の珈琲豆の生産現場を訪ね歩き、視察し、仕入れや勉強されて来たスペシャリスト、この店のブレンドコーヒーとケーキは2000年の沖縄サミットで首相晩餐会に採用されたそうです。スタッフも若い方々多いと思ったら、このお店で修行をし巣立った弟子達が全国に散らばっており、バッハグループを作っているとのこと。そんな名店が山谷に有るのですから、本当にびっくりです。珈琲は家庭で使う紙のフィルターで入れていてちょっと拍子抜けですがこれも店主のお考え、特殊な器具を使って味を引き出すような珈琲では無く、焙煎の段階でよい珈琲を作りあげてしまう、そうすれば誰もが自宅で淹れて楽しめる珈琲となる、家庭では淹れられない珈琲を目指しているのではなく客が豆を買って帰り、自宅でおいしい珈琲を飲んでくれるのが一番とのお考え、何とも素晴らしいではありませんか!頂いたバッハブレンドはとても飲みやすく、どちらかと言えばあっさり、さっぱりしている珈琲、健康食品としての珈琲の意味が何となく分かります。本日は良いお店を教えて頂き有難い次第、良い経験をさせて頂きました。ご馳走さまでした。

Cafe Bach

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